まき姉の小宇宙

創作小話描いてます ゆるりと見ていってくださいね

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巨像に登るマンと人魚姫

やぁ!ぼくは巨像に登るマン!

きょうもあのデカデカとした巨像のてっぺんをめざして

よじりよじりと よじ登っていくんだ!

 

 

あらあら、こんにちは

わたしは人魚姫。

きょうも海で歌うのよ。とってもきもちがいいわ。

 

 

巨像に登るマンはよじりよじりと よじ登った。

 

人魚姫は きれいな すきとおったうたごえで

海を撫でた。

 

 

はぁ はぁ なかなか手ごわい巨像だ!

だけどぜったい てっぺんに付けるはずだ!

もうひといき もうひといき

 

 

ラララ、ラララ きょうも海鳥たちがコーラスしてくれるの

音の重ねが耳をなでるわ

 

 

巨像に登るマンはふと

 

眼下にひろがる海を見下ろした

 

人魚姫がきもちよさそうに歌っているのが見えた。

 

 

わっせ、わっせ! はあ、はぁ。 あとひといき あとひといき。

それにしても 海はきもちがよさそうだなぁ

 

 

ラララ、ラララ。

あなたもいっしょに 歌わないかしら?

 

 

ううん、そうしたいのはやまやまだけど

もうすこしでてっぺんに届きそうなんだ。

 

 

ラララ、ラララ。

あら?わたしにはその巨像 どこがてっぺんなのだか

わからないわ。 へちゃむくれのおおきな、怪物みたいに見えるのだもの。

ラララ、ラララ。

ああ、うみかぜがとても涼しい。きもちがいいわ。

 

 

わっせ、わっせ!

はあ、はあ。

 

うーーーん あと、 すこし・・・

うわ!

 

 

バッシャン!!

 

 

 

巨像に登るマンは

もうひといきで てっぺんにつきそうだというところで

手をはずして 海へまっさかさま。

 

おおきなおおきな

しぶきがあがった。

 

人魚姫が

あとにつづいて

スルリと海へもぐりこみ

 

巨像に登るマンを引っ張って 海間の岩山へと引き上げた。

 

ぷはーーー、びっくりしたよ!

人魚姫、どうもありがとう。

海の水ってこんなにつめたいんだね 汗をかいていたから

きもちがいいよ。

 

 

人魚姫はくすくすわらい

巨像に登るマンのとなりで歌をうたった。

 

 

 

fin

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