がっこうの宣誓
がっこうの宣誓(せんせい)
これは
わたしが小学生のときにした誓い
そのとき
わたしは9歳で
桜の木の下で
ボールを追っかけて
駆けていた
こころの中は
いつでもボールを追いかけることでいっぱいで
それ以外のことじゃ
もう
給食のこととか
気になるクラスの子のこととかがちょっとあるくらい
わたしが9歳のとき
桜の木の下で
ボールを追いかけて駆けていたころ
わたしはがっこうで
宣誓をたてた
それは
いつまでも
このがっこうで
ボールを
追いかけて遊ぼう
という
誓いだ
画用紙に書いて
せんせいにも見せて
ウキウキしたまま
教室のうしろの掲示板に
じぶんで張り出した
わたしは
いっしょう
がっこうで
ボールを追いかけること
ちかいます
4年3くみ もものみや ちえこ
いちばんでっかく
書いて
自慢げに
誇るようにでかでかと
書いた
いまでも
よく覚えている
わたしが卒業してから
その紙は一旦
はがされたけれど
わたしは
お昼を食べて
グラウンドにでる
こどもたちが
元気よく駆けている
さくらの木の下には
植え込みが増えている
あの日立てた宣誓どおり
わたしはせんせいになって
いまも
昼休みになると
ボールを
追っかけている