まき姉の小宇宙

創作小話描いてます ゆるりと見ていってくださいね

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こおりのきつねこ

こおりの

透き通った結晶のなかに

きつねの きつねこは

すっと入った。

 

すきとおって

つめたくて

 

こころがあらわれるようだなぁ

 

きつねこは

 

こおりのなかに

すっと入るのが

 

とてもとてもすきだ。

 

 

こおりって

なんにもいろがないだけじゃなく

 

ほんのすこしだけ

あおいんだなあ

 

ふしぎだなぁと きつねこはおもう

 

空も   あおい

 

こおりと

空とは

 

さいしょは おんなじもので

できていたのかもしれない

 

きつねこは 思った。

 

 

 

きつねこの横を

ねこ が 通りがかった

 

 

 

あらあら、

こんなつめたいところでじーっと

なにをかんがえこんでるの?

 

 

きつねこは

 

ねこのことがすきだ

 

ひとりで

 

こおりのなかでこうしてじっと立ちんぼしていると

 

なにげないしぐさで

ちかよって

 

はなしかけてくれるから。

 

 

ねこさん

 

こおりのなかにいるのって

 

すごく

おちつくんだ

 

 

 

 

あらあら

ぎんぎつねって

ほんとに

さむーいところが すきなのね

 

わたしは ひえちゃうから もういくわね 

それじゃ

 

 

ねこは

しっぽをゆらしながら

来た道を かえっていった

 

 

 

きつねこは

 

こおりのなかで

 

もふもふのしっぽをバタつかせながら

 

おおあくびをした

 

 

ふう

 

きょうもいっぱい

 

こおりのなかにいたなぁ

 

そろそろ

おなかがすいたから

 

おいちにもどろう

 

 

きつねこは

こおりのそとへでる

 

 

もうすぐ春になる

 

こおりは

みずになる

 

 

 

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