まき姉の小宇宙

創作小話描いてます ゆるりと見ていってくださいね

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鯉王子の滝登り

ぼくは鯉王子。

鯉王のひとり息子だ。

 

まだまだ半人前だと鯉王にはいわれるけれど

ぼくだって気持ちはもう一人前の鯉だよ!!!

 

 

さあいまから

あの

国一番の高さの大滝を登ってやるぞ!

そうすればぼくが一人前の鯉王子だって

みんな認めてくれるはず☆

 

 

 

ばしゃーーー

ばしゃしゃーーー

 

 

うわっぷ

 

すごいしぶきだ

近くまでくると

こんなにごうごう 水の勢いを感じる

 

 

ばしゃ

 

ばっしゃしゃーーーーーー

 

ぷわっふ

うぷうう

 

ばしゃ

ばしゃっ!!

 

ええい!

ぼくは一人前の鯉王子になるんだおい!

 

 

ばしゃ

 

ばしゃしゃしゃーーー!

 

 

あ!!あの

滝の中腹にひっかかっているキラキラ!

鯉王の鱗だ!

 

 

まさか

 

鯉王もこの滝を登ったの!?

 

 

 

ばしゃーーーー

 

 

うわあああああああ

 

 

 

どっぽん

 

 

うへえええ

 

あとちょっとで

あのキラキラの鱗のあたりまでは

登れたのに

 

 

 

あ!!

鯉王

え、はは・・・いや

じつは 滝登りをしてぼくの実力をみてもらおうと・・・・

 

 

え?

鯉王

あの鱗が引っかかってたところで

落ちちゃったんですか?

 

 

へーーー

そうなんだ!

 

 

あ、いや

笑ってないですって!

 

ふふ。

 

 

 

それからぼくは

鯉王国をぐるりと囲む堀を何周も何周も泳いで

みんなに唄でスピーチをしたり

 

鯉王女と恋をしたり(コイだけに恋!)

ほがらかに日々を過ごして

 

いまは立派な

一人前の鯉王

 

いつかぼくの息子も

あの大滝に登るのかなあ

 

ふふっ!!!

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