キーボードダイバー
ある一定のリズムで
キーボードを叩き続けるお姉さん
なにを打ち込んでいるのか
気になって
お姉さんの背後から回って
そっと
モニターをのぞき見た
すると
手と手が触れ合う
ハッと息をのむ
ぼくは
キーボードをたたく
お姉さんをじっとみつめる
モニターには
手と手が触れ合う
の
文字 列 列…
一瞬のことだ
おどろくことだ
それを見たぼくが
お姉さんの手に
ジブンの手を重ねていたんだ
どうしてだろう
こんな勇気
ぼくのなかに
きっとお姉さんが
魔法のように
キーボードを叩いて
ぼくに
インストールしたんだ
くれたんだ
なにか
なにか
なにかを。